こんにちはゆーさんです。
シフォンケーキ作りの最初にして最大の難関は「綺麗に膨らませること」ではないでしょうか?
シフォンケーキは基本的にはベーキングパウダーを使用せずメレンゲの気泡の膨張力によって膨らませていくものです。
ベーキングパウダーを使用しないで作ったシフォンケーキはとてもふわっとしておりシフォンケーキの醍醐味である溶けるような食感を楽しむことができます。
しかし初めてシフォンケーキを作ってみると「うまく膨らまなかった」「すぐに萎んでしまった」なんてことがよくあります。
そこで今回は初心者さん必見!!シフォンケーキが膨らまない原因とうまく膨らませるコツをお伝えしたいと思います。
シフォンケーキがうまく膨らまない理由はメレンゲの立て方とオーブンの温度にあり
シフォンケーキってどうやって膨らんでるの?
メレンゲの空気が膨らむ力を利用して膨らんでいます。
先に結論だけお伝えするとシフォンケーキがうまく膨らまない理由はメレンゲの立て不足であることが非常に多いです。
ベーキングパウダーなしでシフォンケーキを膨らませるためにはメレンゲの膨張力を最大限に活用していく必要があるのですが、まずはなぜシフォンケーキが膨らむのかを理解していきましょう。
シフォンケーキはどうやって膨らむの?
一般的にお菓子をふんわりと膨らませるためにベーキングパウダーが良く使用されますよね。お菓子を膨らませるには4つの方法があります。
- メレンゲの気泡の膨張力:メレンゲに含まれる気泡が加熱することによって膨張するために膨らむ(例)シフォンケーキ、ジェノワーズ
- ベーキングパウダーなどの膨張剤の膨張力:水分に反応する化学反応により炭酸ガスを発生させ膨らむ(例)パウンドケーキ、ホットケーキ
- 水蒸気による膨張力:生地に含まれる水分が加熱されることにより発生する水蒸気の膨張力で膨らむ(例)シュークリーム
- 発酵によるガスの発生による膨張力:酵母が発酵するときに発生する炭酸ガスが膨張することにより膨らむ(例)パン
シフォンケーキがふわっと柔らかに膨らむのはメレンゲの膨張力を最大限に活かしているからです。ベーキングパウダーを使用しても膨らませることができますが弾力のある少ししっかり目の焼き上がりになります。
うまく膨らませるには「強いメレンゲ作り」がとっても大切
メレンゲの膨張力を最大限に活かすにはメレンゲにたくさん空気を含ませなければなりません。つまり丈夫できめ細かいメレンゲを立てていく必要があります。
そのためにはメレンゲの起泡性と空気変性という特徴を利用して泡立てていく必要があります。この起泡性と空気変性は卵白のドロッとした部分(濃厚卵白)の方がよりしっかりと効果を発揮してくれます。
古くなった卵白や夏場の卵白はサラサラの水様卵白の割合が増えるのでメレンゲ作りの際はしっかりとした対策が必要となります(後述のポイント参照)。
乳化剤入りの油はNG
一般的なシフォンケーキのレシピではサラダ油やこめ油、太白ごま油などの植物性の油脂が使用されています。基本的に植物性の油脂であればどんな油でもシフォンケーキに使用することができるのですが乳化剤入りの油だけはシフォンケーキには不向きとなっています。
乳化剤には消泡性と呼ばれるメレンゲの泡を消してしまう困った性質があります。メレンゲの泡を消してしまうなんてシフォンケーキにとっては大敵ですね。
この乳化剤はコレステロールゼロなどの健康系油によく含まれているので普段の料理で健康系油を使用されている方は油選びの際に注意が必要です。
高温すぎるオーブンには注意
シフォンケーキの焼成温度は約170℃~180℃となっています。オーブンには機種や固体により温度管理に癖があるのでそれぞれに合わせた設定が必要です。
一般家庭で使用される家庭用のオーブンでは予熱完了時に実測温度が設定温度より低かったなんてことが頻繁に起こります。またオーブンの開閉の際に温度が10~20℃近く下がるので僕のレシピでも設定温度を10~20℃高く予熱することをお勧めしています。
しかしこの設定温度が高すぎたり温度を下げないまま焼成してしまうと表面が早く固まりすぎてしまい、シフォンケーキの膨らむ力を邪魔してしまうことがあります。表面が固まることで蓋をしてしまう形になってしまうということですね。
そのため温度が高くなりすぎないように注意する必要があります。
高さのあるふわふわシフォンケーキを作るポイント
シフォンケーキが膨らまない原因がメレンゲの立て不足と高温すぎるオーブンの予熱、油選びにあるということが分かったのでここからは高さのあるふわふわのシフォンケーキを作るポイントを具体的にお伝えしたいと思います。
ポイント①:メレンゲを固めに立てる
ベーキングパウダーなしで高さのあるふわふわシフォンケーキを焼くためには何といっても泡の潰れにくい丈夫なメレンゲを立てる必要があります。高さが出ない原因といてもメレンゲをうまく立てれて言ないことが挙げられると思います。
メレンゲをうまく立てるポイントは以下の4つです。
メレンゲはボソボソになることを恐れて柔らかすぎるとすぐに泡が潰れてしまいほとんど膨らむことができません。角のピンと立つ硬めのメレンゲを立てるように意識してください。
メレンゲはシフォンケーキの命と言っても過言ではありません!メレンゲ作りに関して詳しく書いた記事もありますのでそちらも併せて読んでみてください。
ポイント②:乳化剤入りの油に注意
上でも書いたように乳化剤入りの油は消泡性というメレンゲの泡を消してしまう性質があります。普段のお料理にはコレステロールを抑えられる健康油は非常にいいものですがシフォンケーキ作りに関しては大敵です。
健康系の油やコレステロール0だからと言ってすべてに乳化剤が含まれているわけではないので、公式サイトや裏面の原材料をチェックするようにしてください。
ポイント③:メレンゲの扱いには最後まで細心の注意を!
メレンゲの泡は油分に弱く油分と混じるとつぶれてしまう性質があります。そのため卵黄生地と混ぜ合わせると必然的に少しずつ泡が潰れてしまいます。
この時に手際よく手数を減らして、いかにつぶれる泡を減らすことができるかがうまく膨らませるポイントとなってきます。せっかく丈夫に立てたメレンゲもこの工程でガシガシと豪快に混ぜ合わせていたらメレンゲはどんどん潰れていっていしまいます。
ここでのポイントとしては最終生地の混ぜ合わせにはヘラではなく泡だて器を使用するようにしてください。泡だて器で混ぜ合わせることによって効率的にメレンゲと卵黄生地を混ぜることができ手数を減らすことができるのでメレンゲを潰すことなく合わせることができますよ。
メレンゲをできるだけ潰さず手際よく混ぜるために
特にチョコレート系やチーズ系などの油分をたくさん含んだ生地は細心の注意が必要です。
ポイント④:オーブンの温度は高すぎない温度を見極めるべし
家庭用オーブンの性能は機種や固体によって様々です。予熱がなかなか上がらない、オーブンの開閉で温度が下がってしまうなどが生じるため高めに予熱をすることもあると思います。(僕のレシピでも高めの予熱を推奨しています)
しかしオーブンの実際の温度を把握せず高めの予熱をしてしまうと思っている以上に温度が上がってしまい表面が早く固まりシフォンケーキの膨らみを邪魔してしまうことがあります。
そのためオーブンの癖をつかむまでは専用の温度計で実際の温度が何度くらいなのかを把握しながら温度管理をしていくことをお勧めしています。
ポイント⑤:最初はシンプルなものから挑戦しよう
シフォンケーキは非常にシンプルなケーキですのでとてもアレンジがしやすくいろいろなフレーバーに挑戦したくなります。
しかしチョコやチーズ系のようにメレンゲの泡を消しやすいフレーバーや抹茶のように吸水性が良く卵黄生地が重くなり流動性の低い生地になってしまうフレーバーもあります。そのようなフレーバーはプレーンシフォンよりもきれいに膨らませる難易度が高くなってしまいます。
またチョコチップやクルミなどの具材を入れると膨らみを邪魔する原因となってしまいます。
そのためシフォンケーキ作りに慣れるまではシンプルなプレーンシフォンから練習していくと基礎を身に着けることができてどんなアレンジでも自由に作れるようになりますよ。
まとめ
今回はシフォンケーキが膨らまない原因と対策についてまとめてみました。
うまく膨らまない原因は
- メレンゲが柔らかすぎる
- 乳化剤入りの油を使用している
- オーブンの予熱が高すぎる
このような原因が考えられます。
この原因を解決してうまく膨らませるポイントとしては
- メレンゲを固めに立てる
- 油選びの際に原材料から乳化剤が入っていないかチェックする
- オーブンの温度を温度計を使用して正確に把握し高すぎる余熱を防ぐ
- プレーンシフォンから練習する
といった対策が挙げられます。
シフォンケーキの醍醐味はそのフワフワの食感にあります。ベーキングパウダーなしでうまく膨らませることでふわふわととろける食感のシフォンケーキを作ることができるようになります。
少しでもふわふわのシフォンケーキ作りのお役に立てたらうれしいです。
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