ふわふわ食感のシフォンケーキ作りには食用油が欠かせない材料となります。
レシピ本などでよく使用されるているのはサラダ油やこめ油、太白ごま油あたりではないでしょうか。
何気なく使用しているこれらの油ですが「他の油じゃだめなの?」って思ったことありませんか?
一口に食用油と言ってもサラダ油やこめ油以外にもオリーブオイルにキャノーラ油、ココナッツオイルなど様々なものがあります。
今回の記事では
- シフォンケーキに食用油を使う理由
- シフォンケーキ作り適していない油
- シフォンケーキ作りに使用される油の特徴
を紹介していきたいと思います。
シフォンケーキ作りに適した油の選び方
早速ですが結論から言いうと、シフォンケーキに適した油とは常温の状態で液体の油です。
スポンジケーキやパウンドケーキではバターが使用されますがバターを使用したシフォンケーキってほとんど見たことありませんよね。
シフォンケーキはその名の通りふわふわで柔らかな食感が最大の特徴ですが、常温で液体の油はシフォンケーキのふわふわ食感を引き出すための働きをしてくれているのです。
食用油を使うのはグルテンの生成を抑えてふわふわに作るため
小麦粉には水分を加えると「グルテン」というタンパク質を生成して生地に粘りと弾力性を与える性質があります。
グルテンが多すぎると生地に粘りが出すぎて生地が固くなってしまいます。
そのため他のお菓子作りでも小麦粉を入れたらさっくり混ぜるというのが基本ですよね。
常温で液体の油にはグルテンの生成を抑えてくれる役割があります。
サラダ油などの液状油はグルテンの無理な結合を減らしたり、グルテンと他の成分との接触をなめらかにしたりする役割がある。液状油を加えた生地は、生地全体が非常に軟らかくなり、薄く伸ばしやすい。
パティシエwikiより引用
そのため生地が重たくなるのを防いでくれて、メレンゲをつぶさずに混ぜることが出来ふんわり焼くことが出来るのです。
バターでは作れないの?
常温で液体の油がシフォンケーキに向いていることはわかりました。
では「バターでは絶対にシフォンケーキを作れないか?」というとそんなことはありません。
ふわふわ感やケーキの高さを出すことはできませんが、バターの風味を感じられる濃厚なシフォンケーキを焼くことが出来ます。
バターでシフォンケーキを焼く際に気を付けるポイントが温度管理です。
バターの融点(個体が液体に代わる温度)は30℃前後です。
逆に30℃以下ではバターは固まろうとしてしまうので生地温度が30℃以下になるとバターが固まり生地がどんどん重くなってしまいます。
バターを使って少しでもふわふわのシフォンケーキを焼くためのポイントは生地の温度を30℃以上にキープして生地を作成することです。
バターシフォンに挑戦してみたい場合は、卵や小麦粉をあらかじめ常温に戻したり、水分をいつもより高めの温度で湯煎することで生地温度を30℃以上に保つようにして作成してみてください。
「コレステロールゼロ」などの健康系の油は使える?
健康を意識するため普段のお料理ではコレステロール0のものを使用されている方も多いのではないでしょうか。
健康系の油でもシフォンケーキを作ることはできますがシフォンケーキ作りに不向きなものがあります。
コレステロールゼロの健康系油には原材料に「乳化剤」が使用されていることがあります。
ヘルシーリセッタや健康プラスなどには乳化剤が含まれているようです。
乳化剤には消泡性というメレンゲの泡を消してしまう作用があり、シフォンケーキのふくらみが悪くなったり底上げなどの失敗につながってしまう恐れがあります。
もちろんメレンゲ作りや卵黄生地の乳化をしっかり行えば焼くことはできますが、同じケーキでも乳化剤が入っているだけで難易度が上がってしまいます。
そのため乳化剤入りの油はあまりおすすめできません。
コレステロール0だからと言って必ず乳化剤が入っているわけではないので原材料を確認してみてください。
シフォンケーキ作りに使用される油とその特徴
シフォンケーキには常温で液体の乳化剤が入っていない油が適しているとわかりました。
ここからはシフォンケーキに使用される油の味や使用感の特徴を解説していきたいと思います。
サラダ油
大豆やなたね、コーン、ゴマなどが原料の食用油です。
どのご家庭にも必ずある油ではないでしょうか。
無色無臭でくせがなく非常に使いやすい油です。
僕もこめ油を切らしている時はよく使用していますがしっかりふわふわにケーキの味を邪魔することなく焼けますよ。
サラダ油とキャノーラ油の違い
キャノーラ油は菜種油に使われるアブラナを改良した「キャノーラ」を原料に作られる油です。
そのためキャノーラ油はサラダ油の一種となります。
もちろんシフォンケーキも問題なく焼くことが出来ますし食べた味わいもサラダ油とほとんど違いはありません。
こめ油
我が家ではシフォンケーキを焼くときにこめ油を使用することが最も多いです。
スーパーでも手軽に手に入りサラダ油と同じく無色で癖もなく非常に使いやすいです。
揚げ物に使うと胃もたれしにくくさらっと揚がる特徴がありますがお菓子にもその特徴が出ているような気がします。
原材料が米からできているので米粉との相性も◎
太白ごま油
お菓子を良く作り人にはなじみのある太白ごま油。
普通の食用ごま油と違い胡麻を焙煎せずに生のまま油を抽出しているので、無色で香ばしい香りもせず無臭です。
実際に太白ごま油でプレーンシフォンケーキを焼いてみても香ばしい香りは全くせずケーキの味を邪魔することもありませんでした。
同じ条件で焼くと太白ごま油でのふくらみが最もよかったように感じます。
酸化しにくく栄養分も高いのでおすすめの油です。
オリーブオイル
オリーブオイルもオリーブから抽出された常温液体の植物油なのでシフォンケーキを焼くことが出来ます。
癖が残りそうなイメージがありますが焼き上げてみると意外とほぼ無臭でした。
他の油で作ったケーキと同時に食べるとわずかに風味は感じるかもしれないです。
甘いシフォンケーキにも使用できますがバジルやチーズ、カレーなどの食事系シフォン「シフォンサレ」との相性が非常に良い油になります。
べに花油
べに花の種子から採取された油でビタミンEが豊富です。
こちらもサラダ油の一種で無色無臭です。
あっさりとした軽い風味でクセもほとんどありません。
グレープシードオイル
名前の通りブドウの種子から採取した淡い黄緑色の油。
プレーンでの味わいは卵感を強く感じられる味わいになっていたかと思います。
素材を邪魔せず引き立ててくれるのでフルーツや野菜を使ったシフォンケーキにおすすめです。
ココナッツオイル
美容や健康効果が高いことで注目を集めているココナッツオイル。
今までの油と違いココナッツオイルはしっかりとココナッツの風味が出るので他のフレーバーと合わせるときは不向きな油になります。
冬場のような室温が低い時は固まってしまっていることもあるので湯煎にかけて使用してください。
他の油と比べてメレンゲの泡が消えやすいので手早く作業するように注意してください。
まとめ
シフォンケーキの油選びのポイントは
- 常温で液体
- 乳化剤が入っていない
というところに気を付けていただければふわふわのシフォンケーキを作りやすく作業もしやすいかと思います。
植物油には大きな味の差はないものの食べ比べると素材を生かしたり風味が残ったりと一つ一つ違った特徴があります。
いろんな油でフレーバーを変えて風味の違いを感じてみるのも楽しいかもしれませんよ(^^)
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