こんにちはゆーさんです。
お菓子作りの大定番チョコレート味。もちろんシフォンケーキでも超人気のフレーバーで生地に溶かしたチョコレートやココアパウダーを加えることで手軽に味を変化させることができます。バレンタインシーズンには特に上手に作りたいフレーバーですよね。
しかし実はこのココアシフォンケーキ、定番でありながら少し難易度の高いフレーバーなんです。なぜならココアやチョコレートを加えたシフォンは膨らみにくくなってしまうからです。
いつも通り作ったのにココアを入れた途端に全然膨らまなくなったわ
ココアシフォンを作ったことがある方は一度はこんな風に思ったことがあるかと思います。
ココアシフォンは定番のフレーバーではありますが実はココアやチョコレートの性質上膨らみにくく初心者にとって難易度の高いフレーバーになります。
そこで今回はココアシフォンが膨らみにくくなる理由としっかり膨らませてふわふわに作るコツをご紹介したいと思います。
ココアやチョコレートを入れるとシフォンケーキが膨らみにくくなる理由
チョコレート系フレーバーのシフォンが膨らまない理由はココアやチョコレートがメレンゲを潰しやすい特性を持っているため、うまく膨らむことができにくくなってしまいます。ではその特性とそれを踏まえた上で作り方の原因を紹介していきたいと思います。
チョコレートやココアに油脂が多く含まれているため
チョコレートやココアには油脂成分が含まれていることをご存知ですか?チョコレートはカカオの種子を発行、焙煎、磨砕したカカオマスとカカオバター、砂糖、粉乳などを混ぜて作られたものです。
スイートチョコレートには一般的にカカオ分が55~85%含まれているものが多いです。
dandelion choolateより引用
ココアバターはカカオ分の30%が全体の55~85%なのでチョコレート全体には18%以上となるんですね。
またお菓子作りによく使用されるクーベルチョコレートは国際基準でカカオバターの使用量が義務付けられています。
「クーベルチュールチョコレート」とは、カカオバターの含有量が高い製菓用のチョコレートのことです。油脂分が多いことで流動性、滑らかさがあり、溶かしてテンパリング(温度調整)作業がしやすく、カカオの風味が強い利点があります。国際規格(CODEX国際規格)では「総カカオ固形分35%以上、カカオバターを31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用不可」が義務付けられています。
cottaより引用
ココアパウダーも同様で全重量の22パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のものと定められています。
いろいろ書きましたがつまりチョコレートやココアにはすでに総量の20%近い油脂が含まれているのです!
カカオ分に含まれるカカオバターは植物性の油脂のため卵黄生地にたくさんの油脂が含まれることになります。メレンゲは油脂分と混ざると気泡がつぶれやすくなるため、油脂の多いココアやチョコレートの生地はメレンゲがうまく膨らむことができません。
ココアの吸水性が高い
ココアは小麦粉よりも吸水性が高いためプレーンシフォンと同じ水分量で作ってしまうと卵黄生地が硬く仕上がってしまいます。そのためメレンゲとうまくなじませることができずにメレンゲを潰してしまう原因となります。
チョコレートも原料に砂糖が含まれているため水分が砂糖に吸着され、卵黄生地が硬くなりやすいのでメレンゲを潰しやすくなってしまいます。メレンゲを潰さないためにチョコレート系の卵黄生地は緩くメレンゲとなじませやすい状態にすることが必要です(対策は後述します)。
最終生地を混ぜすぎている
前述したようにココアやチョコレートには油脂が含まれておりメレンゲを潰しやすい性質を持っています。
チョコレートを含んだ生地を何度もかき混ぜているとどんどんメレンゲがつぶれてしまいシフォンケーキは膨らみにくいものになってしまいます。そのためチョコレート系のフレーバーのシフォンケーキを作るときには卵黄生地やメレンゲを柔らかくり、少ない手数で手際よく混ぜきる必要があります。
ベーキングパウダーなしでココアシフォンをしっかり膨らませるためのコツ3選
チョコレート系のシフォンケーキが膨らまない理由がココアやチョコレートに含まれる油脂と吸水性ということがわかりました。ここからはベーキングパウダーなしでもしっかりとチョコレート系のシフォンケーキをふわふわに膨らませるコツをお伝えしたいと思います。
卵黄生地を湯煎しながら作る
チョコレートは常温では固形のため一度湯煎してから生地に混ぜる必要がありますが、合わせる卵黄生地の温度が低いと再びチョコレートが固まってしまいます。
一般的なチョコレートの融解温度は50~55℃、その後テンパリングというチョコレートを調整する温度が31~32℃となります。そのためチョコレートは50℃で溶かして卵黄生地は30℃以上で作る必要があります。
cuocaより引用
家庭でのシフォンケーキ作りではなかなかここまで細かい温度管理はできないと思います。そこで僕が色々試してみたところ50℃のお湯での湯煎でもしっかり膨らむチョコレートシフォンを作ることができました。
我が家は深めのフライパンがあるのでフライパンにボウルを入れて湯煎しています。もちろん大きめのボウルを使用しても大丈夫です。乳化から薄力粉を混ぜ着るまで湯煎は続けてください。
出来上がったらメレンゲと混ぜるまで湯煎したまま待機させてください。(表面が乾かないようにラップをかぶせてください)。
卵黄生地の材料を常温にしておく
湯煎をしながら卵黄生地を作るのは卵黄生地の温度を30~50℃に保ちながら作るためです。そのため卵黄生地の材料が冷蔵庫から出したての状態だと生地の温度が下がってしまいチョコレートが固まる原因となります。卵黄や薄力粉、常温に、牛乳は湯煎してから使用するようにしてください。
水分量をプレーンのレシピより増やす
ココアやチョコレートは吸水性の高い素材のためプレーンと同じ水分量で作ってしまうとかなりもったりとした重い卵黄生地となってしまいます。
固い状態の卵黄生地とメレンゲを合わせようとすると生地を緩ませるために何度も混ぜる必要があり、メレンゲがどんどん潰れてしまいます。
チョコレート生地は油脂でメレンゲが潰れやすいためメレンゲと合わせる作業はとにかく手数を少なく手際よく行うことが重要です。そのためチョコレートやココアを使った卵黄生地はプレーンよりも水分量を増やして作るようにしてください。
僕が作っているレシピではココアの場合はココア30g使用で水分も+30cc(95㏄)、チョコレートの場合チョコレート50g使用で100㏄の水分を使っています(プレーンでは65㏄)。
メレンゲは硬すぎない程度に立てる
メレンゲが潰れてしまいやすいチョコレート系の生地では卵黄生地とメレンゲを合わせる作業を手際よく行う必要があります。そのためメレンゲはいつもより柔らかめに作ることで卵黄生地となじみやすく混ぜる回数を減らすことができます。
プレーン生地では角先がわずかにお辞儀する程度の目安がいいと説明していますがチョコ系では角全体が少しお辞儀をするくらいの「いつもよりちょっと柔らかいかな」程度の硬さに立てると卵黄生地と非常になじみやすくなります。
まとめ
ココアやチョコレート系のシフォンケーキは定番の大人気フレーバーですがなかなか難易度が高く取り掛かりにくいですよね。
チョコに含まれる油脂や吸水性、50℃で溶けるという性質を理解出来たら
- 湯煎しながら卵黄生地を作る
- 卵黄生地の材料を常温にしておく
- 水分量を増やす
- メレンゲを柔らかめに立てる
これらのコツを押さえて作ることでベーキングパウダーなしでもふわふわにしっかり膨らむチョコレート系のシフォンケーキを焼くことができますよ。
バレンタインシーズンにはもってこいのチョコレート系シフォンケーキにポイントを押さえて挑戦してみてはいかがでしょうか(^^)
コメント