こんにちは、ゆーさんです。
僕がシフォンケーキを焼き始めたときに夏に近づいていくと急に底上げが続く時期がありました。
上手くいっていたはずなのに急に失敗が続きだした・・・
夏場の底上げや焼き縮みなどはいつもの作り方をしても改善されないことがあります。
今回はそんな夏場のシフォンケーキでの失敗原因と対策を説明していきたいと思います。
夏場の底上げの原因は卵にあり
夏のシフォンケーキの底上げはオーブン温度や乳化対策、生地の水分量などを改善しても改善されないことがしばしばあります。
これらの対策をしても改善されない場合、原因は卵にある可能性があります。
夏の卵白は水溶卵白の割合が増え濃厚卵白の割合が減るのでメレンゲの安定性が低下してしまいます。
水様卵白と濃厚卵白
卵白にはさらさらした部分とドロッとした部分があります。
卵黄の周りのドロッとした部分を濃厚卵白、さらにその周りのさらさらした部分を水様卵白といいます。
卵白には「起泡性」と「空気変性」いう性質があります。
泡立ては、液体の中に気体が分散した気泡性の状態です。この気泡を作るには、液体に空気を取り込むために表面張力を小さくすることが必要です。表面張力とは、別の物質と接しにくい度合いを示します。表面張力が大きいと液体が空気と接しにくいので、空気をたくさん抱え込むことが難しくなります。身近な例を挙げると、水が泡立ちにくいのは、表面張力が大きい物質であるためです。しかし、卵白には、表面張力を小さくするたんぱく質が含まれているので、たくさんの気泡を取り込むことができ、メレンゲを作ることができるのです。
情報・知識オピニオンimidasより引用
卵白は、「泡を持続させる力」も備えています。空気に触れることで膜状に硬くなる成分オボアルブミンを生み出す「空気変性」によって、気泡を安定化させ、しっかりとしたきめ細かいメレンゲを作ることができます。
情報・知識オピニオンimidasより引用
濃厚卵白と水様卵白はそれぞれ起泡性と空気変性に違いがありの特徴は表のようになります。
特徴 | 起泡性 | 空気変性 | |
濃厚卵白 | 卵黄の周り ドロッとしている | 〇 | ◎ |
水様卵白 | 濃厚卵白の周り サラサラしている | ◎ | △ |
濃厚卵白にはオボムチンが豊富に含まれているので水溶卵白に比べ泡立ちにくいですが安定したきめ細かい気泡を作ることができます。
一方水溶卵白は表面張力が低いので非常に泡立ちやすいですができた泡は安定性に乏しく壊れやすいです。
そのため安定したメレンゲを作るには濃厚卵白の割合が多い必要があります。
なぜ夏は水様卵白が多いの?
夏場に水様卵白が増える理由として夏の暑さがあります。
ニワトリは暑さに非常に弱く人間と同様熱くなると水分摂取量が非常に増えます。
お水がおいしーーーーー!
するとそのニワトリが産んだ卵も同様に水分量が増えてしまいます。
そのため夏の卵は濃厚卵白の粘土が下がり水っぽい水様性卵白を多く含んだ卵になってしまいます。
鶏は、暑いのが大の苦手。暑い夏になると人間が水分を多く摂取するのと同じで、鶏も水を飲む量が増えてきます。
とくに今年のような猛烈な暑さともなると、鶏も夏バテ気味で食欲が落ち、水分を多く取る傾向があります。するとたまごに含まれる水分量も増えるため、黄身のまわりの弾力性の高い「濃厚卵白」の粘土も下がり、「水溶性卵白」のように水っぽくなってしまいます。
藤野屋より引用
ちなみに夏以外の季節の卵でも新鮮でない卵(古くなった卵)は水様性の卵白が増えてしまいます。
対策方法は乾燥卵白!
夏の底上げは水様性の卵白が増えるためということがわかりました。
そこで具体的な対策として乾燥卵白の使用をお勧めします。
乾燥卵白とはその名の通り特殊な製法で卵白を乾燥させた食品です。
乾燥卵白は水で7~8倍に戻すことで卵白として使用することができ、水の量で濃度の変更をすることができます。
通常の卵白に乾燥卵白を加えると卵白の濃度を上げることができます。
これにより濃厚卵白の割合が増え安定した気泡のメレンゲを作ることができます。
乾燥卵白の使い方
乾燥卵白の使用方法はとても簡単です。
グラニュー糖と合わせて加えるだけで後はいつも通りのメレンゲ作成と変わりません。
グラニュー糖には水になじむ性質があるので乾燥卵白はグラニュー糖と合わせてから混ぜてください。
これだけでメレンゲの質が劇的に変わるはずです。
まとめ
メレンゲはシフォンケーキの重要なポイントとなります。
夏場は特に水様性卵白が増えメレンゲの安定性が低下してしまい、底上げや焼き縮の原因となってしまいます。
卵の性質を見極め、うまく乾燥卵白を使用して少しでも失敗の確立を減らしてみてください。
少しでも参考になったらうれしいです(^^)
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